ジェイティー

THE BATMAN-ザ・バットマンーのジェイティーのレビュー・感想・評価

3.6
バットマンとしてゴッサムシティに蔓延る悪との戦いに身を投じて2年、リドラーと名乗る人物による連続殺人と謎かけに翻弄されやがて戦う意味を見出していくお話。

・・・凄く・・・長いです・・・。
けれど体感では2時間くらいでしたのでお話を見せていくパワーは画面から滲み出るドス黒さと共にヒシヒシと感じました。
両親を失った事で生じた復讐の二文字を原動力にひたすら悪党をぶん殴っていた若きブルース・ウェインがゴッサムシティをどうすれば変えていけるのか、軸となる部分を模索しもがき苦しむ姿がロバート・パティンソンとマッチしていて良かったです。
個人的にコリン・ファレル扮するペンギンとのカーチェイスはマッドマックスのようなバイオレンス感と横転し成す術もないペンギンに炎をバックににじり寄るバットマンの外連味たっぷりな姿は本作で最も好きなシーンです。

ただアクションが控えめなのはテイスト的に納得はできるのですがどうにもリドラーの頭脳戦があまり画期的な感じがしなかったのが一つとそもそもポール・ダノ扮するリドラーがちょいとばかしステレオ感があり魅力的ではなかったように思います。
同じくゴッサムシティに蔓延るクズどもへの復讐を原動力としたリドラーによって本当に為すべきことに気づくバットマンの覚醒話なだけにその辺は残念でした。

そのほかはゾーイ・クラヴィッツはセクシーだけど人間味のあるキャットウーマンを演じる辺り時代だなぁと思ったり、アルフレッドがあんまりメンターとしてブルースを支えられずに残念に思ったり、ペンギンの見た目がアンタッチャブルのアルカポネみたいでデニーロでも観てみたいなぁと思ったり・・・。
正直書いていて思い返すと重厚そうだけど割と普通の話だったんじゃないかと今にして思う次第です。

いずれにしても周りの皆さんは軒並み高評価ですし、間違いなく今年の目玉の一つですのでお時間に余裕があればご鑑賞ください。
平日の午前中が狙い目です。