過去のどのバットマンより若い感じが心配でもあったが、逆に若さゆえの荒々しさがとても良かった。
直近のベン・アフレック版は割とマトモに見えていたから、尚さら精神を病んでいるが故にこうならざるを得なかった、という感じが出ていたように思う。
また他のシリーズではバットマンの存在が世界観に馴染んでいたようにも見えたが、本作では彼自身の異様さが奇妙なほど浮き彫りになって見えたのが面白い。
そしてすでにダークサイドに落ちかけている感じが痛々しくて最高。傷ついた少年の心を抱えたまま、身体や頭が青年になり、そのまま大きな社会的責任が伴う大人へ押し上げられてしまいそうな男の悲しみが深い味わい。
