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THE BATMAN-ザ・バットマンーのyouのレビュー・感想・評価

3.8
ダークナイトが映画の中でも特に好きなのでやっと見れたことにしみじみしております!関心はダークナイトという偉大な作品や過去の作品にどう向き合うかが一番で、見るまでドキドキでした。

THE BATMANを見終わって、ダークナイトも見直しての感想です。陰鬱さで言えばダークナイトよりはるかに暗いですね。ゴッサムシティの治安悪さ、政治的パワーバランス、見たくもない現実をしかたなく直視せざる得ない感じがひしひしと伝わってきます。当たり前の日常ではあるけれど、本当に生きづらい世の中とはこういう状態なんじゃないかと。コロナ禍と重なる部分もあり、見てる側としてもどんよりした空気感でした。

今回のブルースは現実に病んだ若者で、お金で解決できるリッチマンとは程遠いです。一つ前のジョーカーの流れを汲み?、このあたりの憂鬱な心情にフォーカスして繊細に描いているのが、他の作品との一番の違いじゃないでしょうか。前回のジョーカーも今回のリドラーも共通しているサイコな笑いは「病み」や「絶望」からきてることがよく伝わってきます。これは社会に対する憤りであり、こういった背景を登場人物が背負っているから妙にリアリティがあり、いい意味でモヤモヤさせられます。

それに対して、ノーラン版やジャスティスリーグ版のバットマンはキャラクターありきで世界観が広がっているので、バットマンの人間味やジョーカーの狂気を巻き込んで物語に一貫性があり鮮やかです。アプローチとして逆のアプローチですね。ダークナイトも見直して比べて思ったのは、やはり壮大な物語かつ深い行動心理を描き切ったダークナイト3部作は改めて偉大だと思いました。バットマンを概念として作品の一部にしているのだと気づきました。

こう考えると本作はとても挑戦的で賞賛されるべきだと思います。時間的には3時間と長尺でしたが物語的にはこれからエピソード1が始まる予感さえする終わり方でした。2作目、3作目があるなら、これからどんなチャレンジ、展開になっていくのか非常に楽しみです。

個人的には続編はポイズン・アイビーを出して欲しい。きっとTHE BATMANにマッチするはず!あとはもう少しベン・アフレックのバットマンが見たい笑、がんばれ!
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