ノアールの住民の為のヒーロー
完全にシリアス路線に切り替わった「DC」の濃厚なバットマンムービー。
今までの積み重ねもあったか、シンプルなタイトルながら、オリジンものではなく、活動から数年後の話で、ブルースが誰か? くらいは知っている前提の世界観での作品。
とにかく画面が暗い! というのが、最初の三十分の印象だが、これは映画館で「IMAX」などの暗さが映える見方が前提にある撮影だという印象。鑑賞方法のグレードを上げると印象が変わるタイプの奴!
シナリオはかなり長めだったので、ちょっと中弛みも感じるが、じっくりキャラクターを煮詰めていた印象。全体的に大人向け。
ペンギンのクラブ経営の雰囲気なんかはアングラ感たっぷりで、映画の映像としていいし、カーチェイスも素晴らしい!
今回のヴィランの下手に強固な理屈がある感じは良いとは思うが、ブルースへの理屈はかなり軽いと思ってしまう。(逆にバットマンへの思い込み的な感情は好み)
終盤のあのド派手な破壊描写は映像としては楽しめるが、さすがは「ゴッサムシティ」って感じもする。(あそこまで治安悪いとリアリティ感じられない)
全体的に、若きバットマンの苦悩が、犯人達と本当に紙一重のところにあるのがよく描けていた印象。