YukiSano

THE BATMAN-ザ・バットマンーのYukiSanoのレビュー・感想・評価

4.1
フィルムノワール・ヒーロー誕生篇。
狂気の不良ヒーロー、ザ・バットマンが自分の分身達と追いかけっこして、周りの人も何もかも巻き込み、傷つけ、自分さえもボコボコにしまくってたら、自らも暴かれ、ついに更正する話。

そして、TVシリーズ、ティム・バートン、ダークナイトシリーズ、ジョーカーと全てのバットマンへのアンサーを叩き出した。

DCは手加減しないと決めたみたいで、大成功した「ジョーカー」の路線を行くことにしたようだが、クリエイター達の出した答えはジョーカーの対になるものを提示することにしたようだ。

憎み、迷い、傷付け、傷付きながら、最後に出した答えはザ・ヒーローだった。今までのヒーロー誕生映画の中でも最高傑作かもしれない、と思うくらいに今の混迷の時代に刺さるものだった。

ウォッチメンのロールシャッハみたいに始まったのに、ラストに辿り着いた答えが清々しい。何もかも信じられない世の中にも希望があると微かな光を示す。

この世界観のジョーカーと次回、対峙した時に真価が問われるだろう。

爆弾が目の前で爆発してもピンピンしているバットマンや、撃たれたのに元気に走ってる市長、などお茶目なご都合主義をさらに封印して次回も洒落にならないものを魅せてほしい。

バットマンはやってはならないようなことをやってる時が一番輝いている。
YukiSano

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