ヒムロ

THE BATMAN-ザ・バットマンーのヒムロのレビュー・感想・評価

4.8
ハロウィンの夜、ゴッサムシティの現市長であるドン・ミッチェルが何者かに殺された。
ゴードン警部補の手引きで事件現場に入るとそこにはリドラーと名乗る犯人からのバットマン宛の暗号が。
ゴッサムの嘘を暴きバットマンを狙うと宣言するリドラー。
そして暴かれるブルースの過去とは。

昨今の大作映画らしくポリコレ対応でめちゃくちゃ人種とか女性権利者とか出てくるのだが、バットマン自体が何度目の実写化だと言う感じなのでマルチバース感があって違和感がなかったのが良い点。

ガジェットやマシン類は敵味方を含めて非現実的に見えるレベルのものは少ない(コンタクトはアレだったが)。
ダークナイト3部作のようなカッチリとして美しい造形のガジェット類も良かったが、社長ならギリ作れそうなレベルの見た目にとどまっているのもこれはこれで好き。
暗い画面の雰囲気を重視してか、それともリアル思考かリドラーやキャットのビジュアルも現実的になっているのは好みの分かれるところだと思う。

ストーリー自体はかなり面白く、3時間があっという間に過ぎていく一本だった。
それこそクリストファー・ノーラン版ではイケイケな社長という感じだったブルースも、本作は静かな炎を燃やす闇の執行者という感じで全然キャラが違う。
やっぱりこの辺も何度も映画化されているとマルチバース感があって楽しかった。

両親、そして幼い頃に両親を失った自分自身へとの折り合いを少年を次節登場させることでの隠喩は見事。

原作よりもより陰鬱でダークな雰囲気の街とブルースは、斬新かつ素晴らしい試みだったと思う。
続編にも期待したい。
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