1986年にソウル市内で起きた事件を基に書かれた小説が原作。幸福は成績が良ければ掴み取れる。そのため、競争に勝ち抜くのだという韓国に根強い教育観が根底にある。

キム・ボング（ホ・ソク）、アン・チョンジェ（チェ・スフン）はクラスの落ちこぼれ。一方で、イ・ウンジュ（イ・ミヨン）は美しさ、可愛さ、清純さを兼ね備えた女子高校生。ボングはウンジュにいつも視線を投げかけ、いつかはデートしたい、プレゼントを渡したいという気持ちでいっぱいだった。

ウンジュはクラスで成績１位、学校全体でも６位という才女だった。しかし、母親はとにかく上を目指せと言い、ウンジュの気持ちさえ理解しようとはしなかった。勉強を頑張ろうとしつつも、本当に幸せにつながるのか疑問を持ち始めたウンジュ。ボングとのデートはとても楽しかった。

一方、好きな音楽を聴くことも簡単ではないウンジュ。徐々に親の期待に反抗する流れにもなった。ボングはそんなウンジュのために、様々な工夫をし、助けてあげようとする。ただ、ウンジュの定期試験の成績は32位にまで下がり、家にも居づらくなって、どうすればよいか悩んでしまう。

イ・ミヨンは1987年ミス・ロッテに選ばれ、1988年のTVドラマ「愛の喜び」がデビュー作。映画は本作が初めてだったが、百想芸術大賞新人女子演技賞、韓国映画評論家協会賞に選ばれ、その後の活躍につながった。

本作で大きな存在感を見せたのはチョンジェが恋に落ちる養護教諭役のチェ・スジだった。肩パッド入りのディスコファッション、保健室の白衣の両方が眩しかった。