モウドクウサギ

スリープレス・ナイトのモウドクウサギのレビュー・感想・評価

スリープレス・ナイト(2017年製作の映画)
4.2
汚職警官ガー、盗っちゃいけないヤクに手を出してー、息子が拐われてドンジャラホイって何度見たか分からない設定だし、だいたい起こること想像できるよねーっ、といった感じだが、コレ、個人的には相当好きです。一日の、特にほぼ一夜の顛末をゴリゴリ追っていく。所謂、「ラン・オールナイト」でも観たパターンだが、悪役含め登場人物がすべからく「追い込まれている」重々しいムードが、鳴り止まない重低音のシンセベースとともにずっしりのしかかっている。みんなの“つらみ”よく分かるけど、誰も譲れない感じも良い。突拍子も無い展開もあるにはあるが、出会って何秒でなんちゃらみたいに、物語が即ドライブしていき比較的コンパクトにまとまりつつ、映画全体のデザインが練られているのも好感的。ただ、この手のジャンル映画が好きな人でも低評価に振る人がいてもおかしくない。「緊迫感が途切れず良い」とも「既視感あって飽きる」とも評されよう。改めて個人的には、ほとんどカジノ内で起こる駆け引き×暴力と、闇夜に浮かぶ摩天楼のギラついた空撮は嫌いになれない。
一つ、日本版のポスターが至極残念なネタバレを撒き散らしているので、目にせず劇場に向かうのが吉…と言いたいが、もう遅いかな?