ゲットアウト=出ていけ!らしいです
⚪︎あらすじ
ニューヨークでカメラマンとして働くクリスは、彼女であるローズの実家に招待される。クリスは自分が黒人であることで受け入れられないのではないかと不安感を抱くのだが、その不安とは裏腹にローズの家族たちは快くクリスを受け入れた。そしてホームパーティにも参加するクリスだったが、視線が自分ばかりに向いていることに気づく・・・
⚪︎⚠️ネタバレ感想⚠️
ジョーダンピールとブラムハウスにハマり、「ゲットアウト」につづき「Us」、「NOPE」と連続で見てしまいました。その中でもダントツで「ゲットアウト」が面白かったと思います。黒人差別を匂わせながら実は黒人へのコンプレックスを描くという今までになかった題材だと思いました。黒人の差別をただ直接描くのではなく暗喩として描いていました。パーティに来ていた男がシャッターのフラッシュを見たとき、「出て行け」と言ったのはクリスに対してではなく、自分の中にいる別の人物に対して言っていたと思うとガクブルです。グロテスクな描写はありますがホラー苦手な人でもチャレンジする価値ある作品だと思います。
⚪︎主な人種差別の暗喩
・鹿
作中に出てくる鹿はブラックバックという種類であり、黒人に対するスラングとして使われる場合があります。ローズは鹿を轢いてもあまり罪悪感が無さそうに見えましたが、作中での彼女の黒人へ対する気持ちを表しているのかも知れません。他にも家の地下で飾られていた剥製はまるでクリスを見下すように飾られていますが、これも「黒人を見下す白人」のように見えます。父親はこの剥製で刺されてしまいますが何とも皮肉的ですよね。
・ホームパーティ参加者の服の色
パーティの参加者のほとんどは「赤」が含まれています。赤はアメリカでいう共産党を指し、トランプ大統領も赤のネクタイなど差し色として赤を選んでいます。共産党は白人主義者が多くそのメタファーとして差し込まれています。
・車の中の兜
白人至上主義を掲げる「KKK」という団体の暗喩です。
・ローズのシリアル
後半でローズがシリアルを食べていますが、ミルクを注がず別々に食しています。これは白色人種は何にも属さない特別な存在だと印象付けていると感じました。