よしおスタンダード

ゲット・アウトのよしおスタンダードのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
3.8
No.2613

「アス」の方を先に見てしまいました。

アスよりこっちの方が怖いです。

違和感が引き起こす怖さ。

僕はアフリカ系アメリカ人の知り合いが全くいないので、「あれ、この人、何だかしゃべり方が変だなぁ」

ぐらいの違和感しか感じることができませんでしたが、見終わってから振り返ってみると、確かに違和感だらけでしたね。

これを当のアフリカ系アメリカンが見たら、違和感どころか、恐怖そのものでしょう。

ジョーダン・ピール監督は本来コメディアンですが、コメディって、まさに「違和感」の笑いなんですよね。

日本だと漫才に当たるでしょうが、「ボケ」って、簡単に言ってしまえば「違和感」じゃないですか。

一般常識とのズレ、という違和感。

ツッコミは、その違和感を指摘して、観客を現実に引き戻す作業、とも言えます。

そして現実に引き戻された時の、気持ちの緩みが、笑いにつながる、ということだと思います。

ピール監督は、その違和感を、笑いではなく、恐怖に変えた。

ポスター見てみてください。

「ゲット・アウト」の文字が、ちゃんと「白と黒」で半分になっているじゃありませんか!!

「白」が「ゲット」して、「黒」が「アウト」してる・・・。