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ゲット・アウトのzentのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
4.4
今まで見た中でもトップクラスに趣味が悪かった。グロとか差別とかそういうのじゃない、得体の知れない気持ち悪さが残る映画。

差別の撤廃を声高に叫ぶのはもはやグローバルスタンダードとなっているが、この映画で描かれているのはただの差別ではない。もっと根本的な意識の隔絶が描かれている。

あからさまなレイシストは排斥される。差別の撤廃のみを叫んでも、人々の深層心理に隠された潜在的な差別意識は無くならない。それは問題をより根深くするだけの手がかりにしかなり得ない。そんな新たな差別テーマへの言及を、白人と黒人という要素を使って視覚的に演出しているのはもちろん、暴力的なストーリーも絵空事と鼻で笑えない怖さがあり、しっかりとエンタメとしても楽しませてくれる「ゲット・アウト」は、まさに劇薬映画です。
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