Jimmy

オリーブの樹は呼んでいるのJimmyのレビュー・感想・評価

オリーブの樹は呼んでいる(2016年製作の映画)
4.2
感動的なスペイン映画の佳作。
オリーブの樹を温かく見守る老人とその孫娘の絆を描きながら、環境問題までを描いている。孫娘が祖父を想う優しい気持ちが伝わって来て、泣かせられた。

物語は、オリーブの樹がたくさん植えられている農園で「おじいちゃんが、また居なくなった!」と探し回る家族の風景から始まる。老人は、樹齢2000年のオリーブの樹を引き抜かれてから心を閉ざしてしまって、農園を彷徨うのだった。
そんな老人の元気だった頃の姿を、孫娘=アルマの回想シーンで描くあたりは、脚本の巧さであろう。
アルマの回想シーンで、祖父は「神聖なオリーブの樹を金で売買など出来ん!」と激しく抗議するも、孫娘が「私の怪物くん」と呼んでいる思い出のオリーブは引き抜かれて、どこかに売られてしまう。
アルマの友人も手伝ってくれて、インターネットではデュッセルドルフの会社に「思い出のオリーブの樹」は存在するらしきことが判ってくる。
「ドイツに行って、樹を持ち帰ろう」とするアルマと男二人は、大きなトラックでスペインからドイツに向かうのだが……
というかたちで、物語は進む。

この孫娘のおじいさんを想う気持ちが伝わって来て、ボロボロと泣かされてしまった(笑)

実際にスペインでは、樹齢2000年のオリーブの樹が引き抜かれて売られているらしく、そうした暴挙に反対する気持ちを、祖父と孫娘の物語として感動作に仕上げたあたりは見事な映画であったと思う。
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