daiyuuki

ムーランのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ムーラン(2020年製作の映画)
3.8
フン族を率いるポーリー・カーン(ジェイソン・スコット・リー)との国家の命運をかけた戦いを前に、すべての家族から男性を一人、兵士として差しだす命令が下る。
ファ家のひとり娘、ムーラン(リウ・イーフェイ)は、家族で唯一の男性である病気の父親ズー(ツイ・マー)を守るため、男性と偽って戦地へ赴く。
ファ家の守り神で、ちょっと風変わりな“不死鳥”に見守られながら、やがてムーランは戦士としての才能を開花させていくが…。上官タン司令(ドニー・イェン)や仲間たちとの友情の絆や、敵軍に仕える美しき“魔女”シェンニャン(コン・リー)との宿命の出会い…明日の命も知れぬ闘いの果てに、ムーランを待ち受ける運命とは? そして、“本当の自分”と“偽りの自分”の間で葛藤する彼女が、最後に下す決断とは…?
ディズニーの同名アニメの実写アクション映画化。

ストーリーは、ほぼ原作アニメに忠実だが、ミュージカルやファンタジーの要素は、完全に除かれてる。
ドラゴンのムーシューの代わりに、守り神のフェニックスが見守るだけ。
アニメ版では、リーシャンがムーランと結ばれるが、実写映画版では上官が部下と結ばれるのはコンプライアンス的にまずいということで、リーシャンのキャラクターをタン司令とホン・フイに分けた。
「気」の力に優れていながら発揮することを許されず、男性と偽り兵士となるムーランと魔力に優れながら男性に従うしかなかった魔女シェンニャンの、似たような対照的なヒロインの関係の中で、女性の力を発揮させてもらえない社会の壁と女性の自立についてのテーマを掘り下げてはいるけど、掘り切れていないのが惜しい。
ただ、本当の自分で立ち向かおうと魔女シェンニャンとの戦いでムーランが、決意する流れと、クライマックスのポーリー・カーンに仲間たちと戦う流れは、なかなか熱い。
ドニー・イェンは、新兵訓練で見せる剣捌きや太極拳の演武を見せるシーンでは、流石な体捌きを見せる。
主演女優の政治的な発言などで、悪いイメージがついたけど、ディズニーアニメの実写映画では悪くないし、石橋静河のようなリウ・イーフェイの凛としたヒロインの魅力とコン・リーの妖艶なヒロインの魅力はまあまあ楽しめるヒロインアクション映画。
daiyuuki

daiyuuki