IrateBeggar

光のIrateBeggarのレビュー・感想・評価

(2016年製作の映画)
4.8
性的に消費され続け「何も感じなくなって」しまった美花と、災害の後も父親の暴力に晒し続けられた輔と違い、津波によって贖罪の機会を失い成功体験を経て大人になってしまった信之の内実は、無邪気で暴力的な少年だ。
他二人と比べ、ある意味、信之は幸せで純粋だから自分という存在が美花にとって疎ましい(が、利用価値のある)大勢の男の1人であることも、はっきりと手を切られるまで分からない。輔が自分の本心を察していることにも気付かない。し、妻の醒めた視線の前で後ろめたいことのある子供のように目を泳がすことしかできない。
女達は信之を見放している。男である輔だけは信之を信仰めいた熱量で愛する。
愛することも愛されることもなくなった信之は光なき闇の中でこれからも生きていくのか。
IrateBeggar

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