りすこ

何も見なくていいのりすこのレビュー・感想・評価

何も見なくていい(2015年製作の映画)
4.0
閉鎖された電車の中で、青年の顔が内側に反転し、スーツ姿の大人がその顔にゴミを押し込む。反転した顔の青年は、何が入れられているのかもわからず、ゴミを詰め込まれ、血を吐き、最終的には千円札へと変わっていく。

青年は何も知らずに消費され続け、死ぬ。それでも、ゴミを押し込む側の大人、あるいは権力者にとっては、代わりの存在などいくらでもいるという現実。

「何も見なくていい」と世の中と自分を隔てて生きる者たちが、ひたすらに消費されていく様子を描いた風刺映像のように感じた。

作者は今何をしてるんだろう。
りすこ

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