FukiIkeda

アフリカン・ドクターのFukiIkedaのレビュー・感想・評価

アフリカン・ドクター(2016年製作の映画)
3.7
70年代にコンゴ出身のアフリカ人ドクターが家族と共に、フランスのど田舎の村医者として働き始めるが、村では初めてのアフリカ人という事で、全く村人が医師として信用してくれない、子供たちもなかなか馴染めずに虐められるという状況。
正に、先進国の田舎にありがちな排他的な差別問題だっただろう。
30年ほど前に、私が転んで縫う怪我をした時に、一旦病院で縫って貰ったが、親の知人の日本で一位二位の腕を持つといわれていた有名な形成外科医の先生に縫い直しをして貰って、今、跡形もない。
そして、20年前にタイで父が怪我した際に、タイの病院で縫って貰ったのだが、タイの病院だからというちょっとした偏見もあったらしく、心配で、同じように父がその先生に縫い直しをお願いしに行ったら、「タイとかの医者は、むしろドイツとか、海外にも留学している人が殆どだから、日本のその辺の医者より優秀で上手いし最先端の治療ができるから、僕が縫い直さなくても大丈夫」と傷口を見て笑われたらしい。
自分達のほうが優れているとどこかで思い込んでいる事にとても恥じた瞬間だったと言っていたが、結構、日本ってそういうところが多い気がする。
他のアジアの国よりも優れていると未だに思い込んでいる人、意外に多くないだろうか?
でも、現実はどうだろうか?

映画の中で、ドクターの奥さんが、
「まともなフランス語も喋れないくせに!何がフランス人だ!私の子供たちの方がよっぽど綺麗なフランス語喋れるわ!」というような内容を方言のキツイ村人達に言いすてるシーンがあるのだけど、まぁそれもそれで、差別的な言動ではあるが、見た目が白人でフランス人よ!って偉そうにしてても、あんた、ダサいから!って言いたくなった奥さんの気持ちも良くわかる。

なんか現代においても全然まだある差別や偏見に通じるなーとふと思った。
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