パチュウシ

亜人のパチュウシのレビュー・感想・評価

亜人(2017年製作の映画)
4.1
事前知識ゼロで鑑賞。

話の筋は良くある人間社会からハブられる特異体質モノだが、キャラの掘り下げ、演技、演出、構成の全てレベルが高く、退屈する箇所は無かった。
続編がありそうな締め方だったので是非とも次も見に行きたい。


・キャラの掘り下げ
登場人物の背景説明の尺は短いながらもハッキリと描写するか興醒めしない程に説明がされていて、各々の動機をしっかりと把握できる出来だった。
特に田中は、完璧に納得していないながらも佐藤側に付かざるを得ない状況を、ほぼ説明は無いながらも、演技やセリフ回しで見る側になんとなく感じさせる絶妙な塩梅で描かれていたと思う。

・演技
先述の田中(城田優)に加え、主役の2人もハマっていた。
佐藤(綾野剛)の役は、ともすれば漫画実写に良くある行き過ぎた白々しい演技は無いながらも、飄々とした只者ではない感を、存在感を持って与えていた。あと玉鉄の声がかっこいい。

・演出
特に良かった。白々しいカットインやスモーモーションはない代わりに、ゲームの様なトランス調のBGMが戦闘時に流れ、テンションアゲアゲにしてくれた。
ただ、最後まで四つ打ちの電子音楽でまとめていたのに、主題歌のバンド音楽がなかなかに雰囲気を壊してくれた。ここだけはマイナス。

・構成
序盤と、中弛みしそうな中盤に上記のシーンを持ってきたおかげで退屈は一切しなかった。

とにかく綾野剛サンカッコイイとなる映画。アクションのキレが半端じゃない。
途中のおみやげのあのシーンは、わかった瞬間場内でウッ、、、と声を漏らしてしまった。。。