りっく

亜人のりっくのレビュー・感想・評価

亜人(2017年製作の映画)
3.7
亜人とは何か。痛みは感じるが死んだらリセットされ何度でも生き返られるが、自分で命を絶つ前に麻酔銃で眠らせて捕えることができれば勝機はある。SF的な設定をまず単純明快にルール付けをし、さらに亜人が人類に抱く敵意も、冒頭で何度も何度も人体実験のため人体を切断しリセットされるという無限ループを見せることで、短時間で観客にも分かるように構成されている。

物語の展開も、この場所から逃げられるか、人類を抹殺できる薬品を盗まれずに守り切れるかというミッションと、綾野と城田のテロリストコンビ、佐藤と川栄の姉妹という4人の亜人+彼らが特殊能力で出現させられるモンスターが繰り広げるアクションが連なり、その他の余計な人間ドラマを省いた一直線のエンターテイメントとしたのが勝因。

アクションシーンも見ごたえたっぷりで、生身の人間の肉体と、CGを駆使した見せ場、さらには自分の腕を切断して弾をよけたり、自分が出現させた怪物とのコンビネーションで相手を倒すアクションの見せ方の工夫も見逃せない。

ラストで佐藤健が綾野剛をおびき寄せ、ふたりが氷漬けになる→綾野剛は切断された腕を基に再び蘇生する、佐藤健は窓ガラスを割って高層ビルから落ちていくという漫画的な跳躍に思わず笑ってしまった。
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