mylife

光のmylifeのレビュー・感想・評価

(2017年製作の映画)
4.5
河瀨直美監督の作品。「あん」の時と同じく永瀬正敏とのタッグでずっと気にはなっていたのだが今回初めての鑑賞に至る。

映画における音声ガイドのお話がメイン。視力を失ないつつある写真家との出会いを描いたもの。確かに映画には音声ガイドが入ってはいるが、そんな事を普段は気にした事がない。目の見えない人の事を考えさせらるものが本作にはある。

“中森の部屋に差し込む西日”
“部屋全体に虹色のプリズム”
“その上に手をかざす美佐子”
“美佐子の掌にもプリズムができる”

二人が初めて歩み寄った瞬間でもある。仕事場では何かと衝突する二人だが徐々に深まる関係が良い。夕陽をバックに写し出す映像美には思わず感情を揺さ振られるものがあった。淡々と描く映画は個人的にも好みであるし、ピアノの旋律も心地良く余韻にも浸れた感じだ。

本作での音声ガイドはどうなっているのか気になったので鑑賞後に多少見返してみた。水崎綾女が音声ガイドしているシーンはそのままで更にそのまま補助しているかのような音声ガイドであった。語り手は滑舌の良い男性の声。例の夕陽シーンはどうなっているのか見てみると…

“金色の光が二人を包む”
“向かい合う二人のシルエット”

完璧な音声ガイドのフレーズに思わずビビっと来てしまった。
mylife

mylife