本当に河瀬直美という監督は
なんて繊細な映画を撮るのだろう。。
こんなに丁寧で、綺麗で、そっと光が差し込むような、じんわり心が豊かになる映画は河瀬直美監督の色だなぁ。。としみじみ。
視覚障害の人、そこに手助けをする人。
後者は目が見えない人の想像力を想像し、言葉で世界観を伝える。
その中で、『してあげる』が 「押し付けがましい」になり、
サポートしてるはずの『言葉』が「世界観を壊す」になってしまう。
そのやりとりはまるでNHKのドキュメンタリー番組を見ているように生々しく、リアルだった。
あの一つ一つの言葉が台本だとしたら、監督はどれだけの時間を費やし、どれだけの視覚障害の方々と対話をしてきたのだろうと思う。ただそれは出演されていた役者さんたちも同じことが言える。
特に永瀬正敏さんは凄い。全くお芝居の要素がない。まるで本当に目が見えない人のように自然に、中森という人物を演じていた。一つ一つの仕草や薄れつつある視力に恐怖を感じる表情に、自然と涙がこぼれた。
水崎綾女さんはあんなに顔のアップになってもずっと見てられる、とても美しかった。