レク

光のレクのレビュー・感想・評価

(2017年製作の映画)
4.7
‪弱視の元天才カメラマンとディスクライバーの出逢い。‬
‪映像を"語る"難しさと言葉で"見せる"難しさ。‬
‪見えるからこそ見えないもの、見えないからこそ見えるもの。‬
‪そんな盲点を優しく指し示してくれている。‬
‪二人で見る景色、見つめる先には生きる希望、"光"がある。‬

映画の余白や間というものは重要で、音声ガイドでは状況を説明することばかりに目がいき、どうしても説明過多となってしまう。
逆に端折りすぎるとその重厚感が薄れ、感じられる世界観が言葉によって損なわれてしまう。

いつの間にか自分がその映画の世界に入り込んでいるように、映画の中に存在するかのように、映画が人生と重なる瞬間。
視覚障害者の想像力を理解することで、視覚的に捉えるだけではなく他の感覚で補うことで、本当の意味で"映画を観ること"になるのではないか?

視覚障害視点だけでなく映画というものを別の視点から語る切り口、そして人が生きていくために必要なもの、人生とは何かが綴られる。
今の自分が持っていない新たな視点を教え、自分の価値観を変えてくれた。
この映画は自分にとってとても大切な作品となった。
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