このレビューはネタバレを含みます
ミニマムな人間ドラマで、盛り上げるシーンなどはないのだが、丁寧に作られた作品と感じた。基本、インテリばかり出てくる映画なので表面的な人間関係以上に、色々な要素が入っている。話の筋自体は「アイ・アム・サム」を思わせるのだが、メアリーの親権をとりにくるイヴリンの人物がきちんと作り込まれているので、ドラマに深みがある。主人公のフランクはかつて哲学の教授をやっていた程度には十分にインテリなのだが、姉や姪のような数学の才能はないというあたりがある意味でリアルだ。ただ、メアリーやダイアンなどの才能がある人独特の「プッツン感」は今ひとつ描けていないのではないかと感じた。