SYNCHRONIZERの朝田のレビュー・感想・評価

役者の演技には疑問が残るが映画としてめちゃくちゃ面白かった。まず下手な台詞なしで荒唐無稽な設定を成立させていく導入からしてスマート。「接吻」と同じく三人の主要人物の関係性から他者との断絶を意識させる。カットを割った瞬間にヒロインの側に主人公の母親が立っているという演出や、ヒロインが夜の廊下で一人歩く背中を捉えたカットをホラー的な照明で見せる演出など、とにかく不穏さを造り出すのがあまりに巧くてそれだけでも満足。