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赤線最後の日 昭和33年3月31日のnonameのレビュー・感想・評価

3.9
ベッドに寝そべって一生懸命そろばんを弾く芹明香嬢が可愛らしく、影響されてそろばんを買ってしまったことがあります。
スマホはもちろん電卓すら存在していなかった時代なので当たり前ですが、この頃は老いも若きもそろばんで計算していたんですね。
算数が苦手な人は大変だったんじゃないでしょうか・・・。
ステンドグラスやタイル張りの壁など、カフェー建築も丁寧に作ってあるので赤線の史料的意味合いでも価値のある作品ですね。

映画の中の最終日は人で賑わいネオンが華やかですが、これは実情とはちょっと違うようです。
赤線で働いていた人たちも翌日からいきなり別の仕事を始めることはできないので早めに身の振り方を考えなければなりません。
前田豊著「玉の井という街があった」によれば、売防法施行を控えて女給たちが辞めていったため既に多くの店が閉業していて、最終日は閑散としていて寂しいもんだったそうです。
蛍の光が流れたのはガチだったようですけど。
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