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アウトレイジ 最終章のseijunのレビュー・感想・評価

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)
4.0
両生類の皮膚のようにテラついた光沢を放つベンツの車体に映る歓楽街のネオン。
執拗なまでに反射を強調するオープニング・シークエンスは、老いさらばえた極道たちの駆け引きがもはや誰の意志に基づいたものでもない、空疎なものであることを暗示する。

終盤、空港近くのどこまでも平坦な海沿いの風景は、人生の終末にあって残ったものは何もないという、情緒や哀愁といったものとは程遠い結論を即物的に突きつける。
結局のところ運命も自由も無く、老いは老いであり、ただユーモアの気配だけが微かに漂うのみだ。
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