享楽

アウトレイジ 最終章の享楽のレビュー・感想・評価

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)
4.5
「ソラチネ」以上に頽廃的だった。「アウトレイジ」シリーズは本作も含めてヤクザの頽廃あるいは衰退を美的に描写しているものだが、今作はとりわけ最終章なだけに頽廃の痕跡を強く遺した作品だった。黒光りのベンツやマークX…(クラウンなどはもはや出てきもしない)通りすがりの車ですらジープというヤクザの閉じた世界の強調、若手俳優の不在に老年俳優達の顔に深く刻まれた皺やくまの濃さ…銃撃戦でもはや血糖値が上がることもなくたけしさんやその弟子が同類?(もはや第三者的な視点からして敵味方の区分がハッキリしない)を大量銃殺するときの平常感…苦笑 など…緩慢に死へと向かって行くヤクザの姿に味わいを感じずにはいられない。終盤、たけしさんが自害したショットは、ハッキリと2回映された。これはヤクザ映画の終焉なのか、あるいは監督北野武の引退宣言のようなものなのか。
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