てるる

A FAT WRECK ア・ファット・レックのてるるのレビュー・感想・評価

3.8
その昔、某大手レコード屋で働いてたんですが、パンクはいつの時代も一定のファンがいるからパンクコーナーが設けられてました。
だいたい一緒くたにされるのがハードコア。

その中でもオフスプリングやペニーワイズ、ランシドを抱えるメジャー級レーベルがエピタフレコード。

そこに所属していたNOFXのファット・マイクとその妻エリンが独立して立ち上げたのがFAT WRECK CHORDS。

FATのロゴTを着てる人多いからたぶんあのロゴだけは見たことある人も多いかも。
その成立から今までを追ったドキュメンタリー。

ラグワゴン、レス・ザン・ジェイク、NUFANなどの有名どころ所属する一大レーベルに。
日本からもHi-standardが所属してます。

創立者のファット・マイクと元妻エリン、所属している(していた)バンドのメンバー達のインタビューがメイン。

パンク・ハードコアを一通り通ったので、聴いたことのある音楽や、好きなバンドのメンバーが出てくるだけで楽しい。

FAT所属じゃないけど、カナダにいる頃に激ハマりしたPROTEST THE HEROのロディが出てたのはテンション上がった!
これでKEZIAからの曲とか流れれば最高だったのに…大人の事情かな。

今は音楽業界自体が全盛期と比べて世界的に陰りが見える時代。
配信がメインでレコードやCDの売上は激減。
パンク業界もそれは同じ。

でもFATは売れてる時も、今の時代もちゃんとバンドのことを考えてるのが分かる。
他レーベルと比べると金払いも良いし、レコードへの口出しも最小限。

とにかくパンクが好きだから、良いバンドがいたら日の目を見せてあげたいという思いのほうが強い。
だからこそ、今でもFATに所属したいというバンドは後を絶たない。

コロナもあって、彼らの主な収入源であるライブが出来なくなった今。
これから音楽業界がどうなっていくかは誰にも分からないけど、やはり配信にしろレコードにしろ、音楽好きがきちんとお金を払って楽しむことが大事。
てるる

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