MoscatoBianco

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3.5
他の国に比べてアメリカが特に目立つんでしょうか?
原作者ジェームズ・ボールドウィンもパリに逃げていました。アメリカでは常に危険を感じるが、ヨーロッパでは安心できる みたいなことを仰っていました。

もう大昔(1990年代前半)のことですが、アメリカ滞在中にヨーロッパ旅行したことがありました(アメリカから行くと安かった!)。
訪問先の3国ではそれぞれ露骨(じゃないのかな?)な差別を受けました。
旅行を終えてアメリカに戻ったときには「アメリカはなんてフレンドリーなんだ」とボールドウィンとは逆の感慨がありました。
あれは上辺だけなのか、それともアジア人と黒人では違うのか、短期出張以外のアメリカ滞在はそれっきりなので今もよくわかりません。

メドガー・エヴァースという人のことは知りませんでした。ちょっとWikipediaを覗いたら、映画になりそうな典型的な不当裁判のことが書いてありました。司法がこれだと絶望的と言うしかありません。

『逮捕されたバイロン・デ・ラ・ベックウィズ元受刑者(エドガー・エヴァース暗殺犯)は殺人罪に問われ、1964年の2回の裁判では死刑が求刑されたが全員白人の陪審員は有罪、無罪で意見が割れ、いずれも審理無効に。元受刑者は保釈された。89年に州政府が陪審員を作為的に選別していたことが明らかになり、その後再審が決定。ミシシッピ州ヒンズ郡裁判所は94年2月、終身刑の判決を下した。陪審は8人の黒人、4人の白人で構成され、全員一致で有罪と評決。元受刑者は2001年、80歳で病死した。』

ジョン・エドガー・フーヴァーが人種差別主義者であることは有名だと思いますが、ロバート・ケネディが黒人に対して冷淡だったように見えたことは意外でした。法制度は整備しても、実態が伴って来ないことに対してどう処すべきか、考えあぐねていたのでしょうか?

観たことある映画や、観ようと思ってる映画や、観たことある監督や俳優が出てきます。これから映画の観方に影響しそうです。
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