パグレ

ビフォア・アイ・フォールのパグレのレビュー・感想・評価

ビフォア・アイ・フォール(2017年製作の映画)
3.5
ある日、主人公が、死ぬ
次の同じ日、主人公が、また死ぬ

タイムリープを物語の軸として、学校内でのカーストやイジメ、背伸びした異性関係、家族とのギクシャクした距離感、まだ完全には消えていない純粋な良心、など、10代特有の未熟で多感な心理をうまく物語に取り込んでいました。

普段なにげなく過ごしている、いつもの1日
「毎日が全くぜんぜん違う日だ」という人は少ないのではないでしょうか?
今日もまた昨日と同じようなことをしたり、同じような光景を見かけたり、同じようなことで笑ったり、同じようなことでウンザリしたり、そして少しだけ新しい出来事がある
そうやって日々を送っている人がほとんどだと思います

毎日の少しずつの我慢や努力、挑戦が積み重なって、「昨日とは少し違う今日」を繰り返していくと、遠い将来において「ぜんぜん違う日」となっているはず、ありふれた1日を大切にしよう
・・・というメッセージが詰まっている作品だと勝手に解釈しました

しかし主人公は「今日」死んでしまう、「明日」がないので、努力の積み重ねも将来もクソもないわけで
最初は死を回避するために奔走する主人公ですが、何度も挑戦し、何度も失敗し、何度も死を繰り返すうちに、ある種の悟りというか真理というか、カッコつけたり見栄を張ったりしていない「本当の自分」を見いだしていきます

かなり見やすい作品でした、シンプルに面白かったです
ただひとつ贅沢を言うのであれば、もう少しハッピーエンド要素が欲しかった・・・
ようやく片思いが実ったばかりの彼が不憫に思えた
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