白波

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?の白波のレビュー・感想・評価

3.5
2017年9月劇場鑑賞
ご存知岩井俊二監督作品のアニメ化になります。
何故今?とは思いましたが「時かけ」の成功例もありますし、こういった試みも今は選択肢の一つなのでしょう。
まずとても美しい。いつものシャフトとは思えない背景です。
キービジュを見てたときも、渡辺明夫のキャラが無ければパッと見シャフトの制作だとは思えなかったでしょう。
その作画の美しさに見とれながら始まった物語ですが、いざ始まってみると実にシャフトでした。
間あいだに挟み込むカットイン、風力発電の羽根、そしてシャフ度。何だかいつも通りでほっとします。
メインキャスティングには最初戸惑いますが、最後の方では割と慣れてきました。
水泳のシーンなどは直近で同じアニメ作品の「Free」があるのに良くやったなぁと、その心意気すら感じます。
全体に同じ時期の夏の空気が良く再現されていて、とても気持ち良く観れました。
最後の皆の「if」で溢れる場面では、何だかんだと少しホロリとなっていましたよ。
夏の花火みたいなパッと現れパッと消える、そんな刹那的な部分はとても良く表現できていたと思います。
あと神前暁による音楽が良かったです。
これはこれで、原作とは別物として鑑賞してみると面白い作品だと思いますよ。
とてもワクワクさせてくれる作品でした。
白波

白波