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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?のreoreoのレビュー・感想・評価

4.0
8月13日、東京有楽町の朝日ホールにて試写会を公開日5日前に観させていただきました。
youtubeやツイッターで多くの方が俳優さんでは無く声優さんを使うべきだとコメントされていますが、実際の本編はどうだったか私の感想を述べて見たいと思います。
実は私も予告編を見た時にあれっ!?と思っていました。あまり抑揚のない語り口でいわゆる棒読みに近い印象。大丈夫?
実写原作を見ていただくと分かりますが典道は好きな女の子を前にして、無口で、ボソボソとやっと言葉を発している感じの少年。
なずなは、母の3度目の結婚で自分の居場所の無いやりきれ無い気持ちを抱えている少女。そんな二人の会話なのでゆっくりと時が流れます。予告編のような尺の制約がある早いテンポの中では間が取れずセリフが浮いてしまったように聞こえるのでは無いでしょうか?
本編の菅田将輝演じる典道は、そんなぶっきらぼうな少年役を全編にわたって好演していると思います。そして舞台挨拶で脚本の大根監督がなずな役の広瀬すずに対して「中学1年生という子供でも無く大人でも無い難しい年齢の声をどうやって演じるのか?それを見事に演じ切った」と絶賛したように「バケモノの子」の時よりも良かったように感じます。ただし声質は広瀬すずそのもの。いわゆる本職の声優さんの声ではありませんがなずなとして聞こえてきました。
この企画は実写をアニメ化した作品なので、映像はもちろんアニメですが
声は実写に近い俳優さんがやった方がより自然で良かったと思います。
広瀬すずと菅田将輝を出演させる興業的な意味合いももちろんあるとは思いますが。
最後に広瀬すず本人が苦手と言ってる歌がいい。歌手として歌うのでは無く、劇中のなずなが口ずさむ歌が。松田聖子の歌のテクニックは全くありません。ビブラートもためも。ただ、話すようにささやくように典道の前で素人が歌う。これがいい。今でも歌声が響いています。また、エンドロールで流れるDAOKO×米津玄師の打上花火はこの映画の雰囲気にピッタシ。(すでにユーチューブ再生回数300万回以上)本当に最高でした。
小学校卒業式の後にクラスで一番人気の女の子に告って玉砕した記憶が蘇りました。不倫報道ばかりのニュースはもううんざりです。忘れていたピュアな気持ちをほんのちょっとだけ思い出すことでしょう。
ちょっと後半はファンタジックな展開で1回見ただけでは心にストンと来ないかも知れません。
あくまで個人的な感想なのでご拝読ありがとうございました。
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