映画の味方あっつマン

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?の映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

2.9
中学生たちは花火大会を前に「花火は横から見たら丸いのか?平たいのか?」という話題で盛り上がっていた。そんな中、クラスのアイドル的存在のなずなが、母親の再婚のため転校することになった。なずなに思いを寄せる典道は、転校をしたくないなずなから「かけおち」に誘われ、時間が巻き戻る不思議な体験をする——。


酷評の嵐だったのは、知っているが、原作の岩井俊二監督も、アニメ化した新房昭之監督も良い作品を作る監督同士だったので、敢えて観てみた。

両者とも作家性がとても強い。岩井監督は、「岩井美学」と言われる美しい画づくり。新房監督は、個性的な演出法を多用する。本作の絵づくりは、アニメだけあって、新房監督の色が濃かった。アニメーション作家ユニット「劇団イヌカレー」まで出てきてるし。

にしても、もともと原作では小学生だったのを、なぜアニメでは中学生の設定にしたんだろう。人気の男性声優・俳優を使いたかったからかな。流石に小学生じゃあ、声変わりしている人気の男性声優・俳優を起用できない。

でも、中学生じゃあ、あの何も考えてない小学生のガキっぽさは出せないから、なずなの前で、単なる思春期まっさかりのエロガキになってしまう。。

本作では、原作の話に加えて、アニメオリジナルのストーリーが展開される。まあ、映像はとても綺麗だった。

まったく期待してなかった分、予想よりはマシだった。

岩井監督は「花とアリス殺人事件」と言い、アニメ化に勢力的だが、どちらもパッとしてない。

もともと岩井監督作品は、実写映像の美しさや雰囲気づくりありきだし、アニメ向きではないかも。塀の上を歩いていくだけの映画「PiCNiC」なんて最たるものだけど。

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アニメ化は、シャフト(新房監督が拠点としている制作会社)ではなく、Free!やCLANNAD、たまこラブストーリーを作った京アニの方が良かったのではないかと、個人的に思う。

アニメ化の最後の砦として「リリィシュシュのすべて」が残ってるが…岩井監督は、アニメ化するのかな…。