風来坊

バーチャル・レボリューションの風来坊のレビュー・感想・評価

2.0
技術革命が起こり人々がその技術に溺れ人生の大半をバーチャル世界で過ごす近未来が舞台。バーチャルゲームに興じた人々が大量に死亡する事件が起き、調査を依頼された探偵が現実世界と仮想世界を行き来しながら事件の核心に迫る姿を描いたアメリカとフランス合作のSFアクション。

仮想世界で死亡すると現実世界でも死亡するなんていう世界観や設定から、昔にセガ・サターンで出たゲームの「ウイルス」を思い出した。雑多な近未来の雰囲気は「ブレードランナー」に似ている気もします。

世界観や設定は私が好きな感じで導入から引き込まれたのですが、事件を追うスピードがゆっくりしていて次第に残念な気持ちに…。中盤仮想世界の設定を上手く使い、主人公がダンディーなおっさんから女性へとチェンジします。これは上手いやり方だな思ったのですが、女性になってから仮想世界に行ってからが何故か面白くない…。結構やられるしヒーロー感に乏しいけれどおっさんの方が魅力があります。

ゲームの世界を行ったり来たりしてゲームの中で現実の問題を解決するのは良いが、途中からゴチャゴチャしてきて訳が分からなくなってくる…。主人公は賢いようでどうしようも無いし、呆気なく尻すぼみで終わるお話し…主人公の活躍感が皆無で面白くない。

イオンラインゲームやインターネット社会に警鐘を鳴らしていて、現実では今一つな容姿の人が仮想世界では美男美女のアバターを使用している事を皮肉ったりしていますが、この映画自体が微妙な出来なので皮肉がただの悪口にしか聴こえてこない…。
もっと面白くなった気がするので残念です。世界観や設定は良いけど活かしきれず不発に終わった映画と思います。
風来坊

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