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熱いトタン屋根の猫のneroliのレビュー・感想・評価

熱いトタン屋根の猫(1958年製作の映画)
4.0
■テネシー・ウィリアムズの名戯曲の映画化〜🎬■
 
 
まず本作の元になった戯曲の作者テネシー・ウィリアムズ氏の話から〜
 
ウィリアムズの家族には問題が多かった。(詳細割愛)

仲が良かった姉は精神障害があり、今ではありえないロボトミー手術を受けた。
(ロボトミー手術:大脳の一部を切り取る手術)
 
彼の作品の登場人物は家族に対する抗議が含まれているものが多い。
 
 
彼の戯曲『欲望という名の電車』のブランチ・デュボワは実姉ローズがモデル。
最後、精神病状態となり精神病院に連れていかれるシーンが印象的。

 
他、有名な戯曲に『ガラスの動物園』『去年の夏 当然に』があるが、彼の家族のことや彼自身のことが描かれている。
 
 
本作『熱いトタン屋根の猫』以外の戯曲に”ゲイ”の話題が出てくるかは不明であるが、本作は本当は”ゲイ”の話である。
 
それは、テネシー・ウィリアムズ氏自身が”ゲイ”であったからだ。
 
 
 
 
■愛する夫が”ゲイ”であり、欲求不満のマギー💢■
 
 
『熱いトタン屋根の猫』とは、愛する夫が同性愛に走り、久しく夫婦関係がない欲求不満のマギー(エリザベス・テイラー)のことを指す。
 
そのことで子供ができない次男ブリック(ポール・ニューマン)夫妻。
夫婦喧嘩が絶えない。
 
 
ブリックはアルコール依存症。
何が原因でアルコールを飲んでいるんだろう?と考えながら見ていたが…。
 
どうやら親友スキッパーの自死が原因らしい。
ただの親友ではなく、男性同士の恋愛関係があったらしい。
 
 
また、”ゲイ”の話だけではなく”家族愛”の話題も出てきた。
 
父親は家族愛ではなく、お金を増やすことに走った人生であった。
そのことに不満を持っていた次男ブリックの様子も描かれている。
 
 
最後、次男ブリックは、死期が近づいている父親と和解をする。
そして、妻マギーとの夫婦関係に至る。
 
ラストはハッピーエンドのように描かれていたが、、。
(ブリックはゲイなのに、うーん、汗)
 
 
家族愛に恵まれず、同性愛者だったテネシー・ウィリアムズ氏の理想像を描いた戯曲からの映画化だったのかもしれない。
 
 
 
※戯曲では同性愛が仄めかされているが、映画では脚色された為、同性愛が絡んでいるのか分かりづらい。
 
このことにテネシー・ウィリアムズ氏はがっかりしたそうである。
 
 
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