虎舞羅ーコブラー

アナベル 死霊人形の誕生の虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

アナベル 死霊人形の誕生(2017年製作の映画)
3.9
「死霊館」シリーズに登場し、実在する呪いの人形アナベルの誕生秘話を描くホラー映画。

今作は他のスピンオフ作品と同様、アナベル人形以外ほぼフィクションのエピソードとして製作されています。
アナベルが何処で作られ、いかにして悪魔の依り代となってしまったのかが描かれます。今回の特徴と言えば、なんと言っても劇中の死傷者の多さと、他作品には少ない悪魔の残虐な犯行です。
孤児院が舞台という事もあり、子供たちがターゲットに。その中でも足を負傷している少女を執拗に付け狙います。第一作目の死霊館であった通り、最初は精神的に追い詰めるため些細な現象を起こし続け、精神を病んでしまう時に取り込む…という戦略が恐ろしく現れていると思いました。
今作での恐怖はシリーズでも別格で、だからこそ"アナベル"というものの恐ろしさを再提起出来ている様に思えます。他作品には無いようなゴア描写も、改めてこのシリーズが持つ恐怖のカリスマ性を感じられました。
娘に会いたい。その一心で犯した過ちが、いつしか自らに残忍な仕打ちをしてくる。たった一人の友人であり唯一の理解者が、邪悪な者に狙われる。自らの無力さに打ちひしがれる。そんなストーリーも、私の中では"ホラー"の垣根を超え感慨深いものがありました。それが私にとっての「死霊館」シリーズの魅力です。

「アナベル 死霊館の人形」へのリンクも、綺麗かつ流石だな…と震えましたね。まだ見てない方は是非!