直近で『メアリと魔女の花』を観ていたから良い意味で比較出来た。
作品のまとまりや観た後の余韻としてはこちらの方が良いな。
こちらは乙女と彼女に片想いする先輩のボーイ・ミーツ・ガールもので、メアリより全然シンプルなんだけど、乙女のある一夜の冒険譚にもなっていて、その冒険の展開の繋がり方が気持ちいい。するするとあちこちでパーツが当てはまっていく感覚。
そして恋を知らない乙女と恋に翻弄される先輩に対して、周りのキャラクターたちが個性的で恋愛を超えた人生に対する言葉をぽつりぽつりと投げかけてくれる。
あとはキャラクター原案が中村佑介ということもあって作品自体グラフィック・デザインぽくてそこも作風として確立してる。『夜明け告げるルーのうた』も同じタッチだから監督の作風だと認識させられる。
りんごが落ちるとか絵本の表紙が次々現れるとか、スカートがふわっと広がって空に飛ばされるとか、アニメーションの運動が心地よくて、大切にしたい作品でした。