ニカイドウ

メアリと魔女の花のニカイドウのレビュー・感想・評価

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)
5.0
霧の日には入ってはいけないという森。
黒いブサ猫ティブに導かれるように森ヘと入っていくメアリ。彼女が偶然そこで見つけたほうき。
そのほうきに魔法の花「夜間飛行」の汁が掛かると、まるで魔法のほうきのように、メアリとティブを乗せ、空高く飛び上がった。
魔法のほうきが彼女を導いたのは、魔法使い達の大学、エンドア大学…
ジブリのような作画。
映画館上映時やってたCMでは、完全にジブリやと思ってた。
確かに似てる。けど違う。
俺に刺さったのは背景に時折見え隠れする「機械類」や「骨の装飾」などの世紀末を代表するアイテム。先日観た『天使のたまご』要素が随所に配置されている所。
ストーリーにしても、キャラクターにしても、ジブリ風ではある。けど、違う。
いや、ナウシカやラピュタに近いエッセンスも感じる。冒険。挫けない心。バトル等。
作画はポニョ辺りのジブリやけど、この作品に感じるのは初期のジブリと世紀末に青春を生きた人にはわかるこだわり!!あ、初期のジブリもそこに含まれるか。
そして、魔法学校と言えばハリー・ポッター。けど、俺は『メアリと魔法の花』の方が好き。
始めのほうで、メアリは赤い髪をピーターに馬鹿にされる。けど、その赤い髪は魔法界では良いと褒められる。
褒められたメアリは調子に乗って喜ぶんやけど、そうよな。誰も自分の容姿を初めから嫌いな訳じゃないよなって。
誰かに何かを言われたり、比べられたりする事で自分を嫌いになっていく。
けど、ありのままの容姿を好きになってくれる、褒めてくれる事が一番嬉しいに決まってるんよ。
そして、心も同じ。魔法を欲しがる心は、本当は何を求めているのか?
これはそれを知るための、そんな成長の物語なんやと思う。
やっぱり米林監督の作品、好きです。
そして、スタジオポノック良いね。
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