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メアリと魔女の花のne22coのレビュー・感想・評価

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)
3.7
2017年 劇場観賞52作品目

元々あるイギリスの児童文学「小さな魔法のほうき」(後に「メアリと魔女の花」として角川から新訳で出版)を【元ジブリのスタッフ】が【ジブリの意思を引き継いで】アニメとして描いた作品。

良くここまでこれまでのジブリが築き上げて来た要素、ジブリ愛を表現できる原作を探して来たな。というのが観賞後最初の印象でした。

開始10分でトトロ、魔女の宅急便を強く感じ、話が進むともののけ姫、千と千尋にラピュタが見え隠れする。さらに原作自体が持っているのハリーポッター感と個人的にはエヴァ的な要素も入っている印象。

その感じを良いと捉えるか、嫌悪を感じるかはひとそれぞれだと思うけど、
私は小さな頃からジブリ作品と共に過ごしてきて、そのジブリが解体して、小さな集合体がジブリの意思を引き継いでまたここから大きく成長していく1歩目の作品なんだと思うと、1シ−ン1シーンに愛しさを感じてしまった。

観賞して、やはり宮崎駿の【人物同士のやり取りやちょっとした仕草の自然さ】、【アニメならではの過剰な表現の絶対的な巧さ】、【声優のキャスティングの絶妙さ】にはまだまだ届かないと思ったし、背景とキャラクターの描画テンションの差はけっこう気になったし、言い出したらきりがないけど、全部含めて今後の作品に期待していきたいです。

ジブリを知らない子供たちがこれをきっかけに、ジブリを観て成長した大人と共に過去作品を観て、あ、これはメアリのあのシーンだ!って、大人たちとは逆の感覚で観賞するような作品になったらいいなと思う。
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