Beausum

メアリと魔女の花のBeausumのレビュー・感想・評価

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)
3.8
アラを探せばというか、批判するならいくらでもでてくるかもしれないね。今までのジブリを寄せ集めたかんじも分かる。とくに『魔女の宅急便』要素がとても強いように思う。それと『耳をすませば』。
それでも私は楽しかった、です!頑張って作り上げた世界というのが伝わる。
きっと強い重圧のもと、麻呂さんなりのファンタジーなんだなあと。ジブリドキュメンタリーを観尽くしているからそういったバックグラウンドも込みで観ている私がいます。

観終わったあとね、言葉に表せない感情が込み上げて泣きそうになった。この作品から宮崎駿としてのジブリ要素は感じるのだけれど、確かに異なるもので、新たに自分たちで切り開いてくぞという気持ちが伝わる、かんじ。
(麻呂さんの過去作アリエッテイとマーニーは宮崎さんが描いていない世界だから比較することがあまりなかったけれど、今回は魔女。魔女宅と比べないほうが難しいよという見解)

それともう一つ涙込み上げポイントありです。
おばあちゃんが前に住んでいたお家、素敵すぎませんか。お話ができる灯火から、内装の柔らかい温かみ、なんだか懐かしい色合いやらで観ていたら涙が込み上げてきましたのよ。私の涙腺大丈夫かな。

声優に関しては申し分ないです。とくに遠憲さんの第一声の良い声具合が半端ない。ひとり逸脱して良い声だよ!もう少し渋い顔のキャラクターが似合っていたかなと思うよ。
それから神木くん。毎度のことながら素晴らしいです。イチオシのシーンもあります。霧の濃い日に森に行くなと止める勢いで赤毛ザルと言ってしまい、メアリが感情をさらけ出した後のピーターの「メアリ…」です。あのときが初めて名前を呼ぶシーンで、含みを帯びた言い方がとても良い!

ただ不満なところもある。メアリがピーターに感極まって泣きながら抱きつくシーン。あれさ、急に女の子から抱きしめられたら少しは頬赤らめてもいいんとちゃいます?そこで少し恋愛よりの匂わせもあってもよかったなーなんて思うんだけどなあ。考えてみたら赤くなるのはメアリばかりだったかも。

どなたかのレビューでこの映画を観て宮崎さんたちへの感謝が伝わった、というのがありました。その感謝を私も感じたが故の込み上げた感情なのかなと思ったら腑に落ちた気がするのです。
Beausum

Beausum