キミシマユウキ

いぬやしきのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

いぬやしき(2018年製作の映画)
3.7
家族からも会社からも疎まれる中年男性の犬屋敷壱朗はある日の夜公園で謎の光を見て以来身体に異変が起き始めて…

『アイアムアヒーロー』の
!!佐藤信介監督!!
による『GANTZ』奥浩哉原作漫画の実写化。
主演は意外な組み合わせの
!!木梨憲武&佐藤健!!
意外と評価高かったので鑑賞。


「俺が悪役でジジイが英雄?」


原作は3巻くらいだけ読了。
パッと設定だけ見ると変化球だが、蓋を開けてみると超王道なヒーローのオリジンストーリー。
MCU単体ヒーローの1作目と遜色ない良い話だ。
ヒーローをヒーローたらしめるものはその能力や顔のかっこよさ、年齢は関係ない。そんなシンプルなメッセージを改めてヨボヨボの中年男性が体現してくれるのが面白い。
周りの環境だけでいえば
家族全員から邪魔者扱いされ、会社からはリストラ寸前、と悪役に転化してもおかしくないおじさんが善の心を持ってるのが良い。
そして何よりアクションとCGのレベルが邦画の中ではトップレベルで素晴らしい。
見慣れた新宿の街並みを飛び回り壊しまくってる画は爽快感たっぷりだ。

キャストも良い仕事をした。
木梨さんは俳優として普通に活躍していてもおかしくないレベルで哀愁漂う中年男性を熱演。おかげでしたも終わったことだし味のある俳優としてこれから活躍して欲しいな。
そして安定の佐藤健である。
高校生役はぶっちゃけかなり無理があるが、説得力のあるヴィランを悲しく演じていた。
悪役には悪役のストーリーがあり、視点を変えれば彼が主人公なのだ。
MCUよ、これが悪役だよ。
あとは本郷奏多が守りたくなる友達ランキング一位だったり、二階堂ふみや伊勢谷友介や濱田マリといった性格俳優を見事に無駄遣いしておりました。

原作の中だと中途半端なところで終わるのかな?
出だしだけ読んでいた自分にはちょうど良い塩梅のヒーロー映画でした。
あ、1個だけ邪悪な心を持ってる自分が気になってしまったことをネタバレコメントで書きます。

ヒーロー映画好き、奥浩哉漫画が好きな方、そして冴えない中年男性でも主人公になれる物語を知りたい方にはオススメの作品。