よしの

劇場版ポケットモンスター キミにきめた!のよしののレビュー・感想・評価

2.5
その昔まだ小さい頃、父親と一緒に行った『ミュウツーの逆襲』以来、20年ぶりにポケモン映画を劇場で観た。その時も、新宿ピカデリーでの鑑賞だった記憶があり、やや感慨深さはある。
尤も、自宅鑑賞でシリーズ自体はそれなりには追っているし、ゲームの方は仮にも「ポケモン世代」の一人として、ガチ勢には程遠いものの、新作はすべてプレイしているので、ポケモン自体から遠ざかっていたわけではないのですが。

とはいえ当初は全然観る予定はなくて、予告編を見ても、その過剰接待の予感に辟易していたのですが、それなりに良い評判ばかり伝わって来るものだから、記念に、という意味も込めての鑑賞。

ポケモンという存在も、20年も経つと、生き物として強固な説得力を持つようになるな、というのが第一印象。
現実の生き物以上に、架空の生き物に現実的な説得力を与えることは、並々ならぬことだと思うのですが、いとも簡単にその壁を壊していくあたり、ポケモンがこれまでに築いてきた確かな歴史を感じることが出来た。

話自体も悪くない、新しいことを描こうとしていることもわかる、ただ、それだけに我々のように、初期の頃よりポケモンと付き合ってきた人間に対する過剰接待が悪い方向に出てしまっている感じはある。しかしこれはストーリーの構造上、また今作の狙いを鑑みた上で、ある程度仕方のないことなのだが、足枷であることは間違いなく、その所為で突き抜けないところは多くあった。

それなりに楽しめた。無論、泣けるシーンもある。ピカチュウはとっても可愛く、サトシはひたすらに良い奴だ。
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