Keitan

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのKeitanのレビュー・感想・評価

3.7
『登場人物のキャラが立ち過ぎてる事件なお話』

20201226 147
1994年にオリンピックフィギュアスケートのアメリカ代表を巡って実際に起きた「ナンシー・ケリガン襲撃事件」を題材とした作品。当時、日本でも大きく報じられたらしいが、自分はスポーツにあまり興味が無く全く知らなかった。映画としては、まぁ楽しめたけど、本作で描かれた犯罪がそのまま本当だとすると、あまりにお粗末過ぎて笑ってしまう様な事件。

自分を認めてもらう為にはなり振り構わない主人公や、ムチャクチャな夫婦喧嘩を繰り広げるDV夫、我が子を全く擁護しないスパルタな母親など登場人物がそれぞれにキャラが立っている。めちゃくちゃ怖いけど実はチョット慈悲深い面も覗かせる母親役を演じたアリソン・ジャネイのアカデミー女優賞も納得。

広いコートを縦横無尽に滑るスケート選手の演技を、演者近くで追いかけるカメラアングルは、スポーツ中継では見る事のできない映画ならではの迫力満点の映像だった。ただ逆に急にカメラ目線で役者がモノローグを語るみたいなシーンは(公開当時に流行っていた手法な気もするが別にカッコよく無いし)興醒めする演出で、その辺りの作り込み感が逆に、ドキュメンタリーなのかフィクションなのか、何を見せたいのか中途半端に感じられた。
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