Naoya

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのNaoyaのレビュー・感想・評価

2.8
天性の才能と努力で、アメリカ人初のフィギュアスケートでトリプルアクセルを成功させ、オリンピックの代表選手となったトーニャ・ハーディングの物語を描いたヒューマンドラマ作。幼少期から独特な母親のもとで育てられてきたトーニャ。序盤から激しい生い立ちが描かれ、フィギュアスケートの能力を発揮しながらも、波乱万丈さが生々しくヒシヒシと伝わる内容になってます。その合間合間で描かれる、トーニャのフィギュアスケートシーンは見応えがあり必見。バックに流れる音楽、迫るような絶妙なアングルと盛り上がれる場面になってます。淡々とトーニャの半生を描くだけでなく、ドキュメンタリーのようにトーニャや、周囲の重要人物へのインタビュー形式で展開が進むので、一つ一つの内容もすんなり入ってきて分かりやすい、上手い構成。そして、物語の要で、フィギュアスケート史上最大のスキャンダルとなる〝ナンシー・ケリガン襲撃事件〟からの、トーニャの感情の表出は印象的で、とても人間らしさがある。タイトル通り、「私は、トーニャ」である描写が多々あり、彼女の物語である事を再確認させられる。主人公トーニャを演じるマーゴット・ロビーは複雑な役柄と同時に、約4ヶ月に渡ってスケートの特訓をしただけあり素晴らしい演技。トーニャだけでなく、彼女の人生に深く関わる母親や夫、友人を演じた、アリソン・ジャネイ、セバスチャン・スタン、ポール・ウォルター・ハウザーも独特な異彩を放つキャラクターであり見応えがある。
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