マオ

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのマオのレビュー・感想・評価

4.0
まず、普段にこやかで愛想のいいMargot Robbieが、まるで真逆の雰囲気のTonyaを完璧に演じていて、笑顔を作ろうとするも涙が溢れてしまうシーンなど「万引き家族」の安藤サクラのあの涙を彷彿させるようでとても印象的だった。このMargotは見なきゃ損だ。

内容も人物達もとても激しく、テンポよい進みと選曲の良さ。
意地悪な馬鹿どもにも毒親母にもDV旦那にも負けじと戦いぶん殴り返したりと、常に誰に対してもやられっぱなしになることはなく全力でぶつかる気性の荒いTonyaの人生は、あまりにも勢いが凄すぎて、目が離せなくなってしまう。
口汚く乱暴に生きる彼女も、きっと心の底で求めているのはただただ純粋な愛なのに、彼女に集まる人や環境が悪いせいで抜け出せないアリ地獄の中を必死にもがく姿はツラかった。彼女が変わろうと思えば変われたのかもしれないけど、強くいること以外の生きることを知らないから余計に。
あの母でなければTonyaがあんな人間になることも、ダメ夫の愛を求めてしまうこともなかっただろうと思うが、あの母でなかったら彼女にこの強さはなかったのかなと思うと、それまた酷で複雑な気持ちでもやもやした。
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