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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのmのレビュー・感想・評価

3.0
@「真実なんかない
全部 ウソっぱちよ
みんな各々の真実があって
運命には逆らえない
これが私の物語
これが真実よ」


時代と環境によって殺されたひとりの女性。
彼女の生きる希望は毒親から貰ったスケートだけだった。

最近、毒親の話ばかり観てるなぁとなんとなく思ってしまった(笑)
マーゴット・ロビーさんが化粧をしながら泣き崩れるシーンを見て、絶対に観たいと思った作品だった。

マーゴット・ロビーさんの演技が凄くイイ反面、軸が一本通っていない構成で気持ちが混沌とした。

トーニャ・ハーディングさんというスケート選手は知らなくて、エンドロールの彼女の滑りを初めて見て鳥肌が立ってしまった。
あの時代の真実がどうだったのか私は知らないけれど、本当にスケートにトーニャさんを排除したい、いわゆる《品格》が無ければならないのだとしたら、f **kだと思う。
真摯にそして、自信を持って大切にしてきたものを、自身の背景でジャッチされるなんてあんまりだ。

それが80年代と、まだ最近だったことにショックを隠せない。

「私のなにがいけないの?」

その彼女がいう言葉には、驕りがあるわけではないと思う。
真実を追求した彼女、運命に逆らいたいと思った彼女だからこその言葉。

軸が通っていないという言葉。
構成がしっちゃかめっちゃかで感情移入が難しかった。
感動させるシーンの次に、すぐ現実に戻す。
現実に戻すと過去を行ったり来たり。
インタビューを軸にするかと思いきや、過去でカメラ目線でセリフを言ってみたり。
どこを軸にしているのか分からない。

ラストの@ にも書いたシーンは凄く泣けたのだけれど、話が(話というよりはシーン?)散らかっていた。
小説で例えるなら、一人称と三人称がごちゃ混ぜになっている感じ。

スケートシーンが、臨場感あり良かった。
某探偵が「真実はいつもひとつ」って言っているけど、最近それは違うととみに思う。

ストーリー : ★★★☆☆
映像 : ★★★★☆
設定 : ★★★☆☆
キャスト: ★★★☆☆
メッセージ性 : ★★★★☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆

cc/彼女は世界から愛され、一瞬にして世界中から嫌われた
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