もぐら

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのもぐらのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

これが悲劇と喜劇の本質かな。

絶頂から奈落の底へ一気に転落していくんだけれど、その絶頂に至るまでの道も上昇と下降の繰り返しで、むしろ人生の良い面と悪い面が常に表裏一体で同居してる。
それがどこまでも人生だよね。

邪悪で醜悪。でもなにか愛おしくて、煌めきがあって、たしかに美しく思える瞬間がある。
その落差がどこまでも面白くて喜劇が喜劇たる所以なんだね。
嗚呼これが人生なんだとしたら、とんでもない悲劇だね。

「アメリカっていう国は愛すべきヒーローだけじゃなく、憎むべきヒーローも求めてる。真実を話せというが、そんなものはない。ただ転がっていくだけ」
美しい実績と憎むべきスキャンダルによって、喜劇的に彩られる人間に満ち満ちてるおかげでどこまでも悲劇的な世界が回り続けてるのかもね。
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