touch

犬ヶ島のtouchのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.9
"人間に 我背を向ける 窓の霜"
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ウェス・アンダーソン監督 待望の最新作
構想含め足かけ6年、こだわりと遊び心が詰まった力作。
犬と日本文化への執念のような愛、リスペクトを感じる。
ポリティカル・コレクトネスがうるさい昨今
日本文化を独自の解釈によってリミックスして作り上げられた今作は、かなり挑戦的な意欲作だ。
玉手箱のような奇妙な世界観は、果たして一般層に受け入れられるだろうか…?
観る者の感性を問い、また感性に訴えかける
孤高の一本だった。
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外国人の目には異様に映るであろう、日本に根付く独特な習慣
例えば、無機質に原稿を読み上げるだけのニュースキャスターとか飲み会での一本締めとか
「ははぁ、言われてみれば確かにちょっとヘンだよな」と
日本の文化について再考させてくれる。
この辺の違和感にニヤリと笑えるのは、私たち日本人の特権だろう。
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独特の配色センスと左右対称を意識した2D的な構図はウェス・アンダーソンならでは。
ストップモーションアニメに日本画や浮世絵、能や狂言といった日本のコテコテな伝統芸能を織り交ぜることによって、不思議な空気感を生み出している。
およそ人形とは思えない感情豊かな演技、
魂を吹き込まれ、次第に犬たちまでもが人間のように見えてくる。
驚くほどにエモーショナルな人形劇
なるほど、これは"ネオ人形浄瑠璃"だ。
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字幕・吹替それぞれ違った楽しみ方ができそうな本作
DVDで繰り返し見比べながら、細かい部分までじっくり味わいたい。
アーティスティックな感性に刺激を受けたい人、犬好きな人にオススメです。