アタラシ

マイ・ビューティフル・デイズのアタラシのレビュー・感想・評価

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まずこの作品なんですけど、主人公はティモシー・シャラメではなく彼が演じる生徒他2名を演劇コンテストへ引率する国語教師のスティーブンス先生であることは頭に入れてから鑑賞した方がいいかも。その国語教師のスティーブンス先生演じるリリー・レイブという女優さんを、最近見直した『幸せのレシピ』の端役で出てるのを見て気になり色々と検索した際に、この映画の存在とWOWOWで放送されるとの情報を得たので鑑賞することになりました。勿論ティモシー・シャラメの未見の旧作というのも見たかったポイントなので、宣伝において彼を主題に使うのは間違いではない、か。しかしこの邦題はあまりにも的外れすぎやしないか……?

ティモシー・シャラメはどんどんと大物になっていくけど自分は『インターステラー』やこの頃のビジュアルが一番好きだな。演劇コンテストで『セールスマンの死』の一シーンを演じるところも圧巻。演技力も申し分ないなら売れるわけだ。背伸びしたがる割には外出先に勝手についてった挙句「お腹すいた」と先生に言うところはあどけない子供っぽいところが出てて良かった。後、『ハスラーズ』でとても綺麗な名前が印象に残って知ったリリ・ラインハートの過去の出演作での姿が見れたのも嬉しかったです。

スティーブンス先生演じるリリー・レイブはなんとオスカー主演女優賞に二度候補にあがったジル・クレイバーグの娘さんだったようで、謂わば名女優を母親に持つ二世女優。劇中スティーヴンス先生の亡くなった母親も大きな映画に端役で出た後に子育てをしながらカリフォルニアの劇団で舞台女優をやってたというエピソードが出てくる。これはまさに部分的にレイブと重なってて、映画の撮影の5年前の2010年にはジル・クレイバーグの訃報もあった。子供の頃から偉大な後ろ姿を見つめ続けた母親を喪った経験を役柄と共にしている。これは存在してた脚本に最初からあっての偶然なのか彼女が起用されたことによる付け加えなのかは分からないけど、映画を一つ奥の深みへとハマらせてくれてるように感じた。元々はアンナ・ファリスがこの役を演じる予定だったようだけど、彼女がこの映画の顔になったのはとてもサクセスフルな出来事なのではと思う。

個人的にこれから注目していきたい女優さんの一人になりました。
って映画の感想というより主演女優さんのことばかり書いたような気がしますが、この作品以外にもこの数年における主演作や大きな役柄で出てる出演作が沢山あるようなので追う楽しみが出来ました。これを機にあまり見ないテレビ作品(AHSとか)も見てみようかな。
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