ぐり

許された子どもたちのぐりのレビュー・感想・評価

許された子どもたち(2019年製作の映画)
4.3
嘘でしょ…………ラスト納得がいかなすぎる…………これじゃ第2の樹くんが出る可能性しかない終わり方じゃん…………めちゃくちゃショック…………

警察や裁判所って、人生を終わらせるところじゃなくて、次の人生を与えてくれるところなんだな〜と。やっぱり子供にも罪を償う場を与えるべき。もしあのとき、正直に自白して有罪判決になって少年院に入っていたら、少なからず次の人生へ踏み出せたかもしれない。このラストじゃ、主人公は罪を償うことなく、罪を隠して生きていくようなもんじゃないか…………

転校先の中学校で、いじめについてグループで話し合うシーンがとんでもなくいいシーンだった。いじめる側が悪い、いじめられる側が悪い、周りの子たちが悪い、相手より強くありたいという思想、いじめが起こる原因など、良くも悪くも、子供なりの答えがすべて詰め込まれてた。まっっじでいいシーン。ここだけでも学校の授業で流してほしいくらい。

⁡この結末だと、主人公は母親の言葉を信じて更生しないし、主人公と一緒に樹くんをいじめていた2人の少年も更生しないし、主人公の母親は自分でかけた呪いから一生逃げられないだろうし、転校先で出会った女の子はもしかしたら自分をいじめている子たちを殺してしまうかもしれない。というか転校先の委員長ポジの2人がいじめに加担していることに気づいていないのが恐ろしくて恐ろしくて……子供って怖いなぁ、、

あと、母親と父親の子供に対する感情のズレが怖かった。母親は自分の子供を自分のことのように心配して、信じて、守って、それで同時に自分も守ってる。でも父親は、良くも悪くも他人事なんだな…と。あのとき父親が"もしかしたら息子は同級生を殺したのではないか"と母親に言えていたら……それを聞いて子供を疑うことができていたら……と思うとタラレバが止まりません。

ネット民からのコメントも犯罪を起こすキッカケになりうることはわかる。でも正直、あそこまで炎上しなかったら犯罪者は何事もなかったかのようにのうのうと生き続けるんだよ…と思ってしまった。あそこまで炎上しても改心しない親子もヤバいけどね……

こんなに集中して観たのは久しぶりかもしれません。親子間や夫婦間のコミュニケーションは大事ですね。世間の思い描く理想の結末にはさせないぞという強い意志をラストで感じました。好みかと言われたら好みではないので5.0ではないですが、作品としては沢山の人に観てほしい素晴らしい作品でした。あと最後に(これは一緒に観た母が気づいたことですが)主人公の名前、絆星くん、きらくん、きら、きらー、キラー……😔
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