許された子どもたちの作品情報・感想・評価・動画配信

「許された子どもたち」に投稿された感想・評価

愚露亞

愚露亞の感想・評価

4.0
主人公の市川絆星が同級生の倉持樹を割り箸ボウガンで殺害した動機について、劇中で「どうして殺したの?」と聞かれ「理由はあったと思うけど、もう覚えてない」と回答したわけだが、何故殺したのか2度の鑑賞で理解に至ったので記述。

市川絆星が最初に割り箸ボウガンで標準を当てたのは井上緑夢だったが、倉持樹が臆することなく井上緑夢の前に立ち、庇う姿勢をみせる。その反抗的な態度に苛立ちを覚えた市川絆星は、倉持樹目掛けて割り箸ボウガンの引き金を引き、倉持樹を殺害に至らしめる。

…と、冒頭の殺害シーンだけでのみ捉えると、このような解釈になってしまうが、後に繋がる少年審判のシーンを思い出して欲しい。
市川絆星の父親が息子の頬にある傷跡について言及している。劇中にて唯一、市川絆星の頬の傷跡について触れており、台詞も何気ない一言なのでスルーしがちかもしれないが、ここで父親ははっきりと「絆星は幼い頃にイジメられた過去があり、頬の傷はそのときに出来たものだ。だから、イジメられる気持ちを誰よりも分かっている絆星が人殺しなんて絶対にするわけない」と。これが父親の作り話なのか真実なのか以降一切言及されてはいないが、作り話だとするならば市川絆星の頬の傷跡についての手がかりを完全に喪失するので、真実であるとして捉えるのが筋かと思う。
この事を踏まえて、冒頭での割り箸ボウガン殺人事件を思い浮かべると、市川絆星の心情を補完出来る。

市川絆星は幼少期にイジメられていたが、終始やられっぱなしで、イジメっ子に対して抵抗するほどの勇気がなかったのではないだろうか。だからこそ、自分に対して反抗する態度をとった倉持樹に強い劣等感を抱き、気付いたらボウガンを飛ばしていた…んじゃないかと思う。

実際、市川絆星は同級生の前ではオラついているが、家族の前では素の自分に戻っており、その姿からはとてもイジメを働くような悪い子には見えない。ここで表れる態度の差こそが、市川絆星が元イジメられっ子であった所以ではないかと考える。
もう二度とあの頃に戻りたくないという強い意志が、同級生の前に出ると虚勢として表れ、暴力的な不良少年を演じてしまっているのではないかと。

この持論を決定付ける要素として、終盤、ほぼエンドロール手前のとあるカットに注目してもらいたい。
市川絆星の転校先でイジメられていた櫻井桃子という女の子が居たかと思うが、彼女が市川絆星の入り浸っていた廃墟に1人佇み、憎悪の表情を浮かべながら割り箸ボウガンを握りしめ試し撃ちをしている不穏なカットが挿入されている。そして彼女の頬にも傷跡が。
(この傷跡が出来るシーンもかなり印象的で、市川絆星が久しぶりに地元に帰ってきたとき、クラスメイトをイジめながらボウガンの試し撃ちをする現役イジメっ子時代の悪友の姿を目撃し、心の弱かったかつての自分の幻影を彼らに重ね合わせてしまい、ボウガンを奪い取って悪友2人に狙いを定め、撃ち殺しかけたところを、すんでのところで間に入った櫻井桃子のお陰で、同じ過ちを侵さずに済み、櫻井桃子は頬に傷を負う。このとき、市川絆星は悪友を倉持樹と同じように殺そうとしたのではなく、彼らに重ねてしまった自分自身の悪事を働いた過去を消したかった故の犯行未遂なのではないかと推測する。)

つまり櫻井桃子が第2の市川絆星となり得る闇のサイクルを予期させる終わり方となっており、市川絆星自身は悪事に染った過去の自分を殺し再生していくラストへとなっている。希望へと向かい、またある者は絶望へと向かう対象的なラスト。
DZ015

DZ015の感想・評価

3.2

このレビューはネタバレを含みます

まずはこれほど重いテーマの作品を自主製作で作り上げた内藤監督に深い敬意。衝撃的な作品ではあるのだけど、自分の中での置きどころに困る作品でもあった。胸糞度で言えば実際に起った事件のWikiを読む方が遥かに上だし、エンタメ作品として観るには重すぎる。逃げる父にも、愛情の名を借りた自己保身で突っ走る母親にも共感出来ない。いじめっ子といじめられっ子、スルーする優等生。自分の中に湧き上がるこのなんとも言えない嫌な感じこそ監督の狙いな気がする。被害者まで叩く風潮、ネットの怖さも含め、これらすべてが現実に起きているという事実。そして特筆すべきはラストシーンの絆星の表情。これが本当に凄くて、現在の心境を見事なまでに表現していて震えた。

実際に存在するわけです、今この瞬間も。重罪を犯したのに罪に問われず普通に暮らしている人間が。鑑賞後その恐ろしさがこみ上げてくる。
チャリ

チャリの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

再生?していいわけねえだろ!いい加減にしろ!

映画としては結構良かった。実際にあったいくつかの事件を参考につくられてるらしくてそれに驚き。やっぱり世の中には俺が考えもしないような行動をする奴がいるんだなぁ。
st

stの感想・評価

-
世のイジメの構造的な再帰性(復讐動機、毒親による心情支配、扇動的ポピュリズム、etc…)を軽やかに描く。実に軽やかに。序盤の撮影編集スタイル面白いなあ。最近はGoPro使った面白い映像表現がどんどん出てきて面白い。渋谷を上から長回しで映すの、めっちゃ最近みる。良い映画だった。
ゾロ

ゾロの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

何か、凄いの観た

いじめにより、同級生を殺してしまった
中学一年生の少年は警察に犯行を自供
しかし、息子の無罪を信じる母親が
弁護士を雇い、少年審判で無罪を勝ち取る

無罪となった加害者を中心に描いた物語


胸糞悪くなることばかりで
因果応報な結末を期待して
胸をスカッとさせたくなるが
逆に、これがリアル・・と凹む

加害者かもしれないのに被害者の名前を知らない母
加害者の弁護士の戦略や態度
少年裁判における被害者家族への配慮の無さ
加害者が子供と言う事で受ける配慮
メディアや大衆は、被害者を思いやるより
加害者の実名をSNS・動画での発信
(実際、被害者より無罪になった加害者に興味がある)
生家への嫌がらせなど、ストレス発散に見える
枯れてしまっている献花
(所詮、他人事という世間一般の考え)
母親の息子への間違った愛情と擁護
本人の反省や後悔、罪悪感の無さ
SNSなど社会の音や視線も気にしない神経



罪と向き合う事も
罪を償う事も
反省する機会も
後悔する機会も

奪われた加害者の少年

謝らなくては!と思うも
結局、自分の為で・・・

 何を謝りたいの?



気付かない振りをしている内に
本当に見失ってしまった少年


親は反省をする機会を奪ってはいけないが
それ以前に、止めなければいけない
負の連鎖がありすぎて・・・呆れてしまう
松井

松井の感想・評価

2.0
13歳の少年がいじめによる殺人を犯し、無罪になる。その後の人生を描いたストーリー。












以下ネタバレ感想★★★★







この映画は何が言いたかったのかわからない作品だった。序盤は衝撃的な幕開けからその後は暗い描写が淡々と描かれていく。更生していくのかなと思いきや結局変わらない……救いようのない結末。
まさに毒親だな。
胸糞悪いってか終始気持ち悪い!!
終わり方も最高に気持ち悪い〜!!!
少年法はいらねーよ。

先生が無能過ぎて草〜
リアリティが凄い。
役者がみんな適役というか、本当にそんな人なんだと感じてしまった。特に主人公の子の目つきが近づきたくない目をしている。

母親と学級委員は胸糞
始終イライラした。でもそういう感情こそがおもしろい映画ということなのかもしれない。
あおい

あおいの感想・評価

4.0
何が彼をこうさせているのかよくわからかった。
いじめとかそういうものは二次災害的であって、資本主義が生んだ学歴社会だとか生んだように思うし、誰か上に立つ下に立つ、その縮図を見た気がした。
この映画を見て犯罪者にならない子どもたちが生まれるかもしれないと思った。
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